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開発ストーリーProject Story

File.4 > 超節水便器を実現するために性能試験を繰り返した「どこでもトイレ」

福祉関連の展示会で見た、トイレの排水を粉砕して圧送するポンプ。それを1台試しに購入したところから「どこでもトイレ」の開発がスタートしました。

Story.1キーワードは「超節水便器」

圧送ポンプとの組み合わせで製品化するにあたり、トイレメーカーとして付加価値を持たせたいと思い、出てきたキーワードが「超節水便器」。購入した圧送ポンプは、5リットル以上の洗浄水を流す水洗便器との組み合わせで使うものでした。

一般的な水洗便器は排水したあと下水管を流すため、それなりの水量が必要です。しかし圧送ポンプは便器のすぐ近くに設置するものなので、そんなに水は必要ないのでは?!

そこで圧送ポンプの粉砕圧送能力が、最低何リットルの水で使えるのかを調べ「2リットル」という数値を算出。その2リットルで便器から圧送ポンプまで流れるか試験を行い成功! 超節水便器開発のスタートラインに立てました。

Story.2厳しい試験の繰り返し

当然、1回流れたからといって製品化できるわけではありません。安心して製品化するには、実際の使用に近い状況で試験を繰り返す必要があります。

JIS規定である「トイレットペーパーを2リットルの洗浄水で1万回流して、詰まりや故障がないか確認をする」という試験を約一ヶ月間かけて毎日行いました。アルバイトを雇い、規定のトイレットペーパーを量り、流すの繰り返し。

更に大変だったのが、試験後のトイレットペーパーの処分方法です。粉砕された大量のトイレットペーパーは水分を含んでいるためそのまま捨てることができません。
また捨てるのももったいないため、網で水分を切って床に広げ、乾燥させてから紙のリサイクルに出しました。

Story.32リットルを実現するために既存の技術を活かす

次の段階は、どうやって2リットル便器を実現させるか。実は、一般的な水洗便器のトラップ構造だと、洗浄水を2リットルにするのは非常に困難なのです。

そこでダイワ化成の簡易水洗便器の「フラッパー構造」と、一定量の洗浄水を流す「定量洗浄構造」を組み合わせることで、2リットルの洗浄水を実現。
既存の技術を組み合わせて使うことで、新商品の開発を進めることができました。

Story.4思わぬ場所で活用される

メーカーでは考えていなかった場所で製品が活躍することがあります。この「どこでもトイレ」をフェリーの船員用トイレとして採用していただきました。

船のトイレは過酷な環境らしく、波があって揺れるため、配管の勾配が取れている客室のトイレでも流れが悪い時があるとのこと。
圧送ポンプの性能が高い「どこでもトイレ」の設置に最適な場所と言えます。

実はダイワ化成の工場も、外の不便な場所にトイレが有りました。
雨の日は濡れながらトイレまで移動、冬は寒く、夏は暑い劣悪な環境。そこに「どこでもトイレ」を導入し、工場の中央で事務所の前に設置。

配管は50mとものすごく長いですが、高性能な圧送ポンプのお陰で全く問題なく使えています。女性パートの方にも喜んでもらい、嬉しかったことを今も覚えています。
開発した商品が社内でも喜ばれるという、これも開発の醍醐味です。